或阿呆のブログ

Pythonを好んで使っているプログラマです。Ruby,Perl,PowerShell,VBAなどでもたまに書いています。最近はスロット放浪記やってます。。

東條英機と天皇の時代 (ちくま文庫)

東條英機と天皇の時代 (ちくま文庫)

東條英機と天皇の時代 (ちくま文庫)

分厚い。文庫なのに700ページはあるし、値段も1200円と、お手ごろ感がまったくない。が、内容的な厚さは保証出来る。日本の近代史を検証する上で、避けて通れないの大東亜戦争

陸軍で言うと、栗林中将なんかが、映画にもなって有名だけど、東條英機がおおっぴらに話題にならないのは何故だろうか?よく、海軍善玉陸軍悪玉と言われるが、(陸軍悪玉海軍善玉だっけか?)、そういうレッテルを貼られたのは、東條英機の影響によるところが大きい。ちょっとお断りを入れると、レッテルとは、思想の張り紙みたいなもので、実質とはほとんど関係無い。だから、実際に海軍が善玉だったのか、陸軍が悪玉だったのか、検証の余地はあると思っている。その過程で、東條英機は検証しないといけない。なんせ、開戦時の内閣総理大臣だったのだから。(近衛文麿が戦争までの運命を方向付けたのは間違いないだろうけど)

簡単に言うと、東條英機っていうのは、日本のタブーなんじゃないかなと思う。栗林中将を英雄視しても、なんら批判は浴びないが、東條英機を評価すると、とたんに批判される。少なくとも、いろいろと歴史書を読み漁っていると、東條英機は、良いこともしたようであることは間違い無い。ユダヤ人の亡命を手助け(手助けを容認と言ったほうが正しいか?)とか。東京裁判で、日本を弁明したりとか。この人、戦争指導者としては、能力が足りなかったようだが、軍人としては手本になる部分も多いように見える。戦争指導者として、不適格だとしても、それを選んだ側にも責任はあろう。少なくとも、ヒトラーのような人気取りによって選ばれたわけでもないし、ナチ党のように軍国主義国家を構築したわけではない。むしろ、ヒトラー的だったのは、弁の立つ近衛文麿のほうだったと思うが・・・。陸軍の軍閥のゴタゴタもあり、陸軍と海軍の協調性の無さもあり、メディアの戦争支持の煽りもあり、国民の熱狂的な戦争支持もあり、様々重なって、民意が統一出来なくなったところに、仕方が無く置かれたようなのが東條英機。そういう意味では、選んだ側にも責任はあると思う。

東條英機の人物としての描写が多い。

陸士を出ても、陸軍大学校を出ても、上のほうに行くまでに30年ぐらいはかかるわけだ。幼年学校とか入れると、40年以上?陸軍も海軍も、官僚だから。年功序列の公務員の集団だよ。今の体質と変わっていない。昔から今まで根強く残っている官僚的なものがあった。ペリー来航から、日清戦争日露戦争満州事変、シナ事変。小さいのも含めればたくさんあるんだけど、よくもまぁこんな短期間で戦争をやったもんだと思う。だから、ヤクザ映画みたいに、登場人物がかぶる。あっちの書籍ではこう書かれていて、こっちではこう書かれている。書く側にも客観は求められるとは言え、推測などもだいぶ入っており、いろいろ呼んでみないと、全体像は掴めないんではないかと思う。戦争一つとっても。

やっとこさ、点と点が繋がって線になってきた感がある。

大東亜戦争関連の書籍を読めば、東条英機天皇が出てこないことはないだろうから、そこに焦点を絞って掘り下げて置くのは有意義だし、それ用には良い書籍だと思う。