或阿呆のブログ

Pythonを好んで使っているプログラマです。Ruby,Perl,PowerShell,VBAなどでもたまに書いています。最近はスロット放浪記やってます。。

雀鬼くずれ

雀鬼くずれ (角川文庫)

雀鬼くずれ (角川文庫)

冒頭の部分が、博打うちについて的を射ている。

はじめにちょっと、おことわりしておく。博打うちという稼業は、お話の世界によく登場するが、現実には、まず存在しないといった方がよい。世間からその名で呼ばれているのは、主に博打場の経営者、つまりテラ銭とりとその従業員のことである。

純粋に博打だけ打って暮らす、その暮らし方が成立しない理由はいろいろあるけれども、その根本の理は、勝てば客を失い、場を失うということである。稼業ならば勝たぬわけにはいかないのだ。しかし、勝って今日の飯にありつくことによって、明日の生活の場を失うのである。

麻雀放浪記もそうだったけど、勝負に勝ってハッピーエンドになるという結末は存在しなかった。すかぴんたんになって、目も当てられないような状況になって終わりというのがオチ。それでもなお、博打自体を否定的に書かないことに、博打に対する愛着が感じられる。

  1. 天和くずれ
  2. 末は単騎の泣き別れ
  3. 天国と地獄
  4. 雀ごろブルース
  5. 麻雀科専攻
  6. 雀魔団始末書
  7. 大物狙い
  8. 雀ごろ戦争
  9. 野やくざ帝国
  10. 居眠り雀鬼
  11. 海道筋のタッグチーム

の十二編を収録

麻雀科専攻なんかは、非常にロマンチックで、結末があっけなくて、好きな作風。

阿佐田哲也作品は、さらっと流し読みできちゃうけど、味が深く、何度も読み返すことが多い。当書籍もそうなるだろう。