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或阿呆のブログ

Pythonを好んで使っているプログラマです。Ruby,Perl,PowerShell,VBAなどでもたまに書いています。おバカなことが大好きです。

虹色のトロツキー (1) (中公文庫―コミック版) を精読

読書

虹色のトロツキー』(にじいろのトロツキー)は、安彦良和による日本の漫画作品。『月刊コミックトム』(潮出版社)にて、1990年11月号から1996年11月号まで連載された。昭和初期の満州国を舞台に当時メキシコに亡命していたレフ・トロツキー満州に招く「トロツキー計画」とノモンハン事件がモチーフになっている。潮出版社から単行本が中央公論社より中公コミック文庫版が出版されている。
虹色のトロツキー - Wikipedia

満州については予め理解されておきたい。

満洲国建国以前に女真族の建てた王朝として、金や後金(後の清)がある。清朝滅亡(1912年)後は中華民国がその領土の継承を主張したが、すでに旅順はロシアのち日本に租借され、日露戦争以前にはロシア軍が、以降は日本軍が満州広域に展開する状態であった。内満州はロシアのち日本により東清鉄道や南満州鉄道の建設が開始され半植民地の状態であり、外満州はネルチンスク条約を反故にしたロシアによる策動によりアイグン条約や北京条約によりすでにロシアが獲得していた。中華民国中央政府のこの地域での権力は極めて微力で政情は安定せず、事実上奉天軍閥の支配下に置かれていた。1931年、柳条湖事件に端を発した満州事変が勃発、関東軍大日本帝国陸軍)により満洲全土が占領された。関東軍の主導のもと同地域は中華民国からの独立を宣言し、1932年3月、満洲国の建国に至った。元首(満洲国執政、後に満洲国皇帝)には清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀がついた。愛新覚羅溥儀満洲国は建国にあたって自らを満州民族漢民族、蒙古民族からなる「満洲人、満人」による民族自決の原則に基づく国民国家であるとし、建国理念として日本人・漢人朝鮮人満洲人・蒙古人による五族協和と王道楽土を掲げた。満洲国は建国以降、日本、その中でも関東軍の強い影響下にあり「大日本帝国と不可分的関係を有する独立国家」と位置付けられていた[1]。当時の国際連盟加盟国の多くは満洲地域は法的には中華民国の主権下にあるべきとしたが、このことが1933年(昭和8年)に日本が国際連盟から脱退する主要な原因となった。
満州国 - Wikipedia

満州は、一般に日本の傀儡政権と見られている。関東軍の強い影響下にあるなど、独立した国家として見るには難しい部分もある。

しかし、一方で、満州を独立国家と捉えたもの、独立国家を目指したものがいるのも事実。

石原莞爾も、作中で

満州国軍も強くなくちゃいかん!そして将来、関東軍と戦争しようとなるくらいになるのが一番いい。

と言っている。

満州事変での成功を根拠に、中国全土を支配下に置こうという動きと、中国とは同盟関係を結びロシアを叩こうとする動きなどがあった。他にも、南方に資源を求める南進論というものもあった。*1

この時期の国際情勢は非常に難しいところがあり、一国だけで太刀打ちできるものでは到底ない。どこの国と組むか、どこの国と事を構えるかの意見が難しいところがあり、一つにまとまらない。そんな状況のなか、軍部の一部は自分の考えのもと、勝手に戦局を拡大してしまう。日中戦争にしろしかり、ノモンハンにしろしかり。

軍人とは、戦争に勝たないと出世できないから、積極的に戦争しようとするのが悪い癖。

長期的なスパンの戦略を持っていたのは、石原莞爾だけではないだろうか。

最終戦争論を読んでおくと、当書籍の理解が早いかと思われる。

最終戦争論 (中公文庫BIBLIO20世紀)
石原 莞爾
中央公論新社
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石原莞爾の思想によれば、東洋の覇者たる日本と西洋の覇者たるアメリカの戦争が最後の戦争になると見ている。それによれば、日本は中国とは同盟関係を結ぶべき仲間であり、ロシアは東洋の覇者を決める準決勝戦の相手ということになる。

こう考えていくと、トロツキー計画の目的が見えてくる。

*1:必然的に英米と事を構えることになる。