或阿呆のブログ

巷では、武器商人@ダーツで通っていました。Python好き好きプログラマーです。芥川龍之介、太宰治が好きです。

昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)/昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

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昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

単行本と文庫本比較

歴史家として個人的に好きな半藤一利さんの書籍。先に単行本としても出版されているが、そちらは値段が高価(1700円くらい)だし、文庫版のほうが巻末にこぼれ話等が入っている。どちらを買うかと言ったら、迷う必要もなく絶対に文庫版のほうをお奨めする。特に、文庫版に収録の、マッカーサー昭和天皇の会談についての考察が面白く、これを知っているか知っていないかによって、戦後日本の歴史の見方が変わってくるのではないかと思うほど、大きな大きな内容が書かれていると個人的には思う。

二分冊だけど・・・

書籍は二分冊である。最初から企画して二分冊にしたのかはわからないが、当初の企画としてはおそらく昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)が上手く行ったら、昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)を書くという予定だったのではないか。そのため、内容としては、昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)だけ読んでも楽しめる内容となっている。昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)は興味があれば読めば良い程度の位置づけで良いと思う。ただし、半藤さんとしては、戦前の昭和史を書いたのだから、戦後の昭和史を書く義務があるという義務感を持っていたようなので、出版社の意向で無理やり書いたというわけでも無さそうで、どちらも質は高い書籍だと評価している。

戦後世代二世、三世、あるいはそれ以降

私は、日本の昭和史を書く、あるいは学ぶということはちょっと複雑で難しい側面があると思っている。私のような30歳の戦争を知らない世代にとっては尚更。また、私の両親も戦後生まれ(団塊の世代よりちょっと下)なので、要するに、戦争を知らない親に育てられた、戦争を知らない戦後世代二世と言ったところではないか。なので、直接的に戦争を知っている方からのお話を聞く機会にも恵まれず、書籍が情報源となることが多い。官僚や政治家の二世、三世はろくでもないとよく言われるが、戦後世代二世、三世も戦争に対する考え方や知識は、それと同じ度合いでろくでもないと思う。戦争をまったく知らないどころか、ひどい偏見や誤解などが多々ある。それが、戦後世代四世、五世となっていくと、歴史なんて忘れ去られてしまうのではないかと危惧する。本来、自国の歴史を教えるのは、国の義務だと思うのだが、日本はそれをやらない。正しい歴史を語り継ぐには、歴史を学ぶことが非常に重要だと思う。

戦前と戦後

私が学校で習った歴史と、当書籍で語られている歴史とには相違がある。というより、根本的に違うという部分すらある。原因の一つとして、ソ連崩壊によって、ソ連側から第二次世界大戦の重要な資料が流出したことが挙げられるのではないかと思う。新しい資料の登場により、歴史の解釈を見直さなければならない点は少なくない。半藤さんは、自称歴史探偵と呼ぶくらいで、正に探偵のごとく、歴史をを読み解いているという感じがする。それが正しいか、誤っているかは別として、怪しい点は結論を書いていないところも共感が持てる。

以上のように、歴史というのは、決して確定したわけではないということ。なんせ、戦前偏でも、新資料などが出てくれば見直される可能性があるのだから、戦後偏は、尚更のこと。なので、戦後偏については、ずいぶんとあっさりした記述が多い。その点、半藤さんも断りを入れていて、そこはまだ歴史じゃなく「現代」だからと言っている。例えば、戦後の総理大臣として一番知名度の高い田中角栄さんの話なんか、本当にあっさりしている。ロッキード事件のことも、今後また新しい資料が出てくるかもしれないしね。その状態で、確定的な記述は避けたかったのだろう。その意味で、戦後の歴史、現代に近い歴史は、絶えず批判的な姿勢で検証していく必要はあるのかなと思う。

まとめ

知っておいて損はない。歴史を覆すような新資料などが見つかると、新聞に載る。そのときに、当書籍に書いてあるような内容を知っているか知っていないかで、楽しみが変わってくる。とにかく、お奨めの本。