或阿呆のブログ

巷では、武器商人@ダーツで通っていました。Python好き好きプログラマーです。芥川龍之介、太宰治が好きです。

ノルウェイの森

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コメント

ロングセラーですね。未だにランキング上位。

俺がノルウェイの森を読んだのは、27歳頃で、けっこう遅い部類に入るんじゃないかな?!夏真っ盛りでした。ちょうど、体調を崩しというかメンタルを崩し、仕事をやっていない時期でした。むさっくるし〜夏の日。自分の環境に重ね合わせて、主人公ワタナベトオルのような、世の中との距離感を取るのが下手というか、距離を置くタイプの人間に親近感を感じた。また、俺がメンタル弱っていたこともあり、直子のメンヘラっぷりはかなり理解出来た。

これを読んでいると、世の中から距離を置いている自分に居心地が良く感じてしまう。なんでだろう?村上春樹が小説家としては珍しく文壇から距離を置いて、どこにいて何をしているのかわからず、孤高の存在であることが関係しているのかもしれない。ワタナベトオルにもそういった気質みたいなのが入っているように見えた。*1

読んでいて、良く言えば爽やか、悪く言えば淡白。作中でお酒を飲むシーンがよく出てくる。むさっくるし〜時期に読んだということとも相まって、酒を飲みながら読むとなんだか気分良く読めた。ウィスキーなんか、ソーダで割っちゃったりして。そりゃ、ハイボールか・・・。

キズキっていう、トオルと直子の親友が過去に自殺しており、その過去がだいぶ尾を引いている。グレート・ギャッツビーに出てくるギャッツビーが過ぎ去って戻らない過去を取り戻そうと固執するところとなんだか似ている感覚を持った。

それはいいとして、その過去への固執っぷりと、後ろ向きな(過去を向いているという意味で)、前を見ようとしない直子には、異常性を感じた。が、けっこう理解出来ちゃったりした。その辺は、一度でもメンタルやられた人ならわかるんじゃないだろうか。最後の最後、前向きに生きようとした結果が、自殺だったとし・・・。*2

彼らとは好対照で、社会を生きていく上で、ものすごい処世術に長けた、頭脳も優秀な永沢さんも印象的だった。読んでいてものすごく爽快。こんなに世の中を軽々と渡っていけたらどんなにいいものかと嫉妬するど。よの中をだいぶ上から目線で見ている。人間誰しもこうなりたいと思うだろうけど、実際はそんな上手いこと行くわけが無いんだけど、その永沢さんもワタナベトオルに一目置いている。ワタナベトオルは、自身も言っているように、平凡な人間で、なんで永沢さんのような優秀な人間が自分に興味を持ったのか意味不明的なことを言っていた。ワタナベトオルは、非常に親近感が湧くキャラで、ついつい自分に重ね合わせてしまう。結果、永沢さんが自分に興味を持ってくれているような錯覚に浸り、なんだか気分が良くなってくる。

と、読んでいくと、人生に対する見方が変わった気がする。

社会っていうのは、永沢さんのような人間になるようにレールを敷いて、せっせと必死になって、結局はそうはなれないで終わっていくクソゲーのようなものなのではないかと思う。そんなレールになんか乗る必要はない。ワタナベトオルのように、世の中と距離を置いて、自分の世界を築いて生きていくのも一種の在り方だと思うし、事実そっちのほうが疲れない。そして、生きた実感を感じるというか、安心感が得られるんだよな。

で、それから4年くらいか?!だいぶ世の中の見方が変わった気がする。肩の荷が下りたというかなんというか。社会に交わるのがちょっと苦手という人は、読んで損は無いと思うぞ。

*1:オレは孤低だけど・・・

*2:解釈違っていたら、それは個人差ということで勘弁して下さい